改善ノート活用ガイド
改善ノートはアナトミーを通じて、サイトそのものにノートを貼り付けていく発想で行う全く新しいサイト運用方法です。改善ノートを使いこなせば、これまで埋もれてしまった数多くのアイデアをサイト改善のために活用することができます。

1.改善ノートとは
改善ノートは、アナトミー上での数値目標(=KPI)を設定し、達成度を検証しながら改善ToDoを実施していくための記録・検証機能です。
数値目標を定義・検証するKPIノート、具体的な改善施策の実施を管理するToDoノート、ToDoを具体化するためのTextノートの3つのノートを組み合わせ、実行・検証をアナトミー上で管理します。
改善ノートの種別 | 説明 |
---|---|
KPI | 数値目標を定義します。達成率はKPIごとに評価されます。 |
ToDo | 改善タスクの内容を記録し、期限や実施/未実施を管理します。 |
Text | 気づいた点などのメモです。 |
2.KPIを定義して、改善目標を立てる
アナトミーでは、Webサイトの数値目標をKPIノートとして全景ビュー上で定義できます。
KPIノートは、特定の指標について、達成度を計測してくれる便利なノートです。KPIノートには、6つの指標を設定できます。
KPIとして設定できる指標 |
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PV | 流入 | 検索流入 | 離脱率 | 直帰率 | ページ間の遷移数 |
では、具体的にKPIノートを作っていきましょう。まずは現在の値をベースに、目標とする値をKPIノートに設定します。
例えば、次のようなKPIノートを考えることができます。
対象ページ | KPI目標の例 |
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TOPページ | PVを1.5倍に増やす |
価格ページや製品機能ページ | 離脱率を50%未満にする |
LP(ランディングページ) | 注目商品ページへの遷移数を10%増やす |
広告流入数を2倍に増やす | |
直帰率を70%未満にする | |
フォームへの遷移数を2倍に増やす | |
登録フォーム | 1ページ目から2ページ目に進む遷移数を30%増やす |
ブログ記事 | 検索流入を2倍に増やす |
※KPIノートは、1ページに何個でも作れます。
ここでは、「TOPページのPVを1.5倍に増やす」「LPから注目商品ページへの遷移数を10%増やす」をKPIとして設定する方法を説明します。
KPIノートの設定例① TOPページのPVを、現在の1.5倍に
1. トップページのタイルを選択する
- 全景ビューでトップページのタイルをクリックします。
- 改善ノートパネルでKPIノートアイコンを選択します。
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2. KPIノートに目標値を設定する
- KPIとして設定する指標と目標値を設定します。指標は、その時にタイルへ表示していた指標が表示されますが、KPIノート上で変更することもできます。今回は、トップページの現在のPV310に対して1.5倍のPV450を目標値として設定しました。
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3. その他の管理項目を設定する
- コメントには、現在の数値が自動で入力されています。KPIの根拠となった分析や気付きがあればコメントに追記します。
- 管理用の色、プライベート設定、通知先を設定できます。
4. 設定したKPIノートを確認する
- KPIノートを設定したページのタイルにはKPIの達成率に応じて色の異なるマークが表示されます。オンマウスすると改善ノートウィンドウで設定した内容を確認できます。
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KPIノートの設定例② ランディングページから注目商品ページへの遷移数を10%アップ
1. 遷移KPIを作成する
- 全景ビューでランディングページのタイルをクリックします。
- 注目商品ページのタイルにホバーして、「遷移KPIノート作成」を選択します。
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2. KPIノートに目標値を設定する
- KPIとして設定する目標値を設定します。指標は、遷移数になっているので、変更しません。今回は、ランディングページから注目商品ページへの遷移 10 に対して2倍の20を目標値として設定しました。
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3. その他の管理項目を設定する
4. 設定したKPIノートを確認する
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全景ビューの数字を見ながら、このようにページが持つ役割に応じてKPIノートを作成します。KPIが設定できたら、KPIを実現する具体的な改善策を考えていきます。
3.改善策を検討し、ToDo化する
KPIを達成するための具体的な改善策(=ToDo)を考案し、ToDoノートに記録します。ToDoはKPIを設定したページだけでなくサイト内のページすべてに設定することができます。リンク関係のあるページや、類似のコンテンツがあるページ、集客施策をしている流入元など、KPI達成のために改善する項目を見つけ、ToDoとして記録します。
ToDoとして設定できる項目
関連付けるKPI | どのKPIを目的にしたToDoかを設定します |
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通知先 | メールで通知するユーザーを設定します |
期限 | ToDoの実施期限がきたら、作成者と通知先にメールで知らせます |
本文 | 「タイトルタグを書き換える」「アンカーテキストを変更する」「TOPへリンクを張る」など、考案した改善策を設定します |
例えば、前章で作った、「TOPページのPVを現在の2倍に」のKPIを達成するためのToDoを設定します。
TOPのPVアップの方策は、例えば①流入の多いページにTOPへのリンクを付ける、②見出しタグをリライトするなどが、考えられます。
ToDoノートの設定例① 流入の多いページにTOPへのリンクを付ける
1. 流入モードに切り替え、流入数が290のページをクリックします。
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2. 画面キャプチャからリンクすべきエリアを選定する
- キャプチャ上で指定したいエリアをクリック&ドラッグで指定し、「キャプチャTODOノートを作成」を押します。
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※改善ノートパネルが表示されない場合は、[ホーム]タブで[ノート]アイコンをクリックして表示します。
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3. 期限を設定する
- ToDoノートでは、実施状態を管理するステータスと期限を設定できます。ステータスの初期状態は「未実施」です。期限を設定すると、ToDoノートの作成者と通知先で設定したユーザーに通知が送信されます。
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ToDoノートの設定例② 見出しタグをリライトする
1. 対象ページを選択する
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2. 改善ノートを追加する
- [改善ノート]タブの[作成]ボタンをクリックします。
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※改善ノートパネルが表示されない場合は、[ホーム]タブで[ノート]アイコンをクリックして表示します。
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3. コメントを登録する
- 「h2を分かりやすい内容に変更する」などの文章を設定します。
- 「#リライト」でEnterキーを押して、ToDo分類用のタグを登録します。
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キャプチャToDoノート
ToDoノートの大多数は、改善の多くが画面に由来するので、メタタグ以外の文言変更であれば、「キャプチャTODOノート作成」が便利です。画面キャプチャは、ToDoノートの作成時とToDo実施後で比較できます。

ToDoノートとKPIとの関連付け
KPIノートはToDoノートと関連付けられます。1つの改善施策が複数のKPI実現に貢献することもあるので、複数のKPIノートと関連付け可能です。

KPIとの関連付けを行うと、 KPIに関連したToDoが表示されます。

ToDoノートの蓄積と完了
サイト改善の方策はたくさんあるので、サイト内から様々な改善案を考えノートを作りましょう。思いついたノートはどんどん増やして大丈夫です。ノートは、全体のリスト管理が会員TOPページでできるので、後々の整理の煩雑さを気にせずに追加できます。

ToDoノートを蓄積しておき、日常的なサイト更新時に可能なToDoを実施していくことで、KPI実現に近づいていきます。完了したToDoは、実施済みにしていきます。ToDo実施時にアナトミーを参照すれば確認もチェックも効率的に進みます。

4.「気付き」があったら、即メモをとる
特定のKPIに結びつかなくても、有益な改善Todoもあります。また、サイトを運営していると多くのことに気付きます。また、様々なアイデアも浮かびます。それらの「気付き」は、実はサイト運営にとってとても貴重な情報です。これらを積極的に残すのもノートの役割です。
ToDoノートは特定のKPIと紐づけせずに設定することができるので、変更したい箇所、改善案が思いついたら個別に記録していきます。また、期限やステータス管理が不要な単純なテキストノートも作ることができます。

ToDoノートやテキストノートで記録する「気付き」の例
- 文字の視認性が悪い。色やサイズを変える。
- 思いの外、SNSからの流入がある!
- 前後編のブログは離脱率が低く、連続して読まれている
- 間違った言葉を使っている?調査が必要
- 写真に題名をいれよう!
- 価格は3つに絞ったほうがいい?
- ブログのロジックには検証が必要そうだ
- スマホだとリンクボタンが小さすぎる
これらを気付きノートとして残しておきましょう。
ToDoノートを作る手順で、KPIを指定しなければ、KPI紐づけなしのToDoノートになります。やり易い方法でノートを残しましょう。
気付きノートは、色やタグを設定することで、管理しやすくなります。また、プライベート設定をすることで、他のメンバーとは共有しない、作った人と通知先の人だけに見えるノートになります。個人的な忘備録として使用するのも良いでしょう。

気付きノートが溜まることがサイト運営のノウハウそのものになるので、貴重な運営情報をアナトミー上に蓄積しましょう。
5.ノートの一覧をダウンロードする
これまで設定してきた改善ノートは会員トップページで一覧表示することができます。ノート一覧は、ノートの種類、作成日、期限、作成者、でフィルタすることができます。
一覧に表示したノートの情報はCSV形式でダウンロードできます。

6.色やタグのルールを決め、ノートを管理する
ノートを分類する色と#タグについて、ルールを決めましょう。色やタグはノートに付加できる属性で、情報や作業の整理に役立ちます。検索したり、ソートするのに使えるので便利です。
例えば、このようにルールを決めていきます。
色ルールの例
色で重要度や性格を表現 | ||||
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赤 | 橙 | 黄 | 青 | 紫 |
優先度:高 | 優先度:中 | 優先度:低 | アイデア | 要調査 |
色は、1ノートにつき1色だけです。なので、情報のレベルなどに使うのが向いています。
#タグルールの例
#タグでワークの目的を示す | |||
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#SEO | #回遊 | #パフォーマンス改善 | #デザイン統一 |
色は増やせませんが、タグは随時増やすことができます。
アナトミーにおけるサイト改善は、改善ノートを大いに活用することになります。集まったノートは、実際にToDoリスト、メモ書きとしてダウンロードして実開発でのチェックシートになります。改修の現場でもアナトミーを見ながら、デザイン上の改修を行っていくことになります。