テクニカルSEO実践ガイド
テクニカルSEOとは
テクニカルSEOは「検索エンジンの動作をデータ分析することによって行うSEO内部対策」のことです。
一方、コンテンツSEOは、主にコンテンツを制作することによって質や量を改善することに着目したSEOです。
テクニカルSEOでは、コンテンツを作ったり修正するまえに、「検索インデックス」と呼ばれるデータを技術的に分析して、方針を決めていきます。
- 参考:テクニカルSEOとは?
検索インデックスの重要性
Googleは、Webページをクロールして解釈した内容を「検索インデックス」に蓄積しています。そしてユーザーが検索をすると、検索エンジンが検索インデックスからキーワードに応じて適切なページをピックアップし、結果を表示します。

例えば、「4K対応の40型テレビ」について書いてあるページがあるとします。該当ページがSEO対策済みなら、検索エンジンはこのページを「40型のTV」や「4K対応のTV」について書かれていると判断してインデックスに記録していきます。一方、このページがSEO対策されておらず、「40型テレビ」について書いているとGoogleに認識されないと、「TV 40型」と検索しても検索結果に表示されなくなります。
つまり、SEOでは、検索インデックスのデータを分析し、Googleに自社のページがどう評価されているのかを確認することがとても重要になります。
Webページは1つのキーワードでインデックスに登録されるのではなく、たくさんのキーワードで検索インデックスに登録されます。Googleはコンテンツの内容からキーワードを抽出してインデックスに登録していますが、コンテンツは様々な言葉で構成されているため、検索インデックスも様々な言葉で登録されることになるのです。
テクニカルSEOによる分析の流れ
テクニカルSEOでは、検索インデックスのデータを技術的に分析して、どうコンテンツを修正していくのが良いのかを判断していきます。
テクニカルSEOでは、3つの分析を行って、強化するキーワードを見つけ出します。
①検索順位・表示回数・クリック数から強化するキーワードを選定 | Googleからの評価をあげるためにはコンテンツの価値を高める必要があります。ただ闇雲に文章を増やせばいいということではなく、どのトピックを強化していけば、Googleからの評価をあげることができるのか、検索インデックスから分析します。 |
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②CTRとクリック予測からキーワードを選定 | CTRとクリック数の予測を見て、どのキーワードをタイトルとディスクリプションに含めればユーザーからの評価を得られるのかを分析していきます。 |
③競合が存在するキーワードを選定 | 検索結果の上位20ページを確認することで、ターゲットとしているユーザーがそこに存在するのかを確認することができます。 |
強化するキーワードが見つかれば、検索エンジンの評価アップをするためのトピック強化や内部対策を行います(後述)。
検索順位・表示回数・クリック数から強化するキーワードを選定
最初に実施するのが、関連トピックの追加によるコンテンツの強化です。

テクニカルSEOでは、まず検索インデックスを分析しながら強化対象のトピックを探していきます。
検索インデックスの中にあるキーワードは、程度に差はあれど、少なからずGoogleから一定の評価を受けているキーワードです。既に評価実績のあるこのようなキーワードの方が、まったく評価されていないキーワード比べて、評価が上がりやすいです。また、ページと関連の薄いキーワードが大量に混じった関連キーワードツールからキーワードを選ぶより、Googleがページと関連があると判断したキーワードから選ぶほうが効率的です。
検索インデックスから探し出せる強化すべきキーワードには、次のようなものがあります。
①ページにおける主要キーワードで、検索需要があるにもかかわらず、検索順位が停滞しているキーワード | 需要のあるキーワードで、評価の上がっていないキーワードを探し出します。コンテンツのトピック強化により、評価改善が期待できます。 |
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②検索需要はあるが、コンテンツ内には情報が含まれていないキーワード | 検索インデックスから、コンテンツに不足している情報を探し出します。コンテンツにトピックを追加することで、評価改善が期待できます。 |
③評価の低い関連キーワード | 評価の上がっていない関連キーワードを探し出します。コンテンツのトピック強化により、評価改善が期待できます。 |
以下、アナトミーでの操作手順を解説します。
①主要キーワードのうち順位が停滞しているトピック
1. 全景ビューでページアイコンをクリックする
2.[SEO]タブの[検索順位]アイコンをクリックする
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3.主要なキーワードをいくつかクリックし、順位改善が見られないキーワードを見つける
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- 順位グラフで赤い線が横這いもしくは降下中になっているキーワードが強化対象になります。
②検索需要はあるがコンテンツ内には情報が含まれていないキーワードを探す
1. 全景ビューでページアイコンをクリックする
2. [SEOアイコン]をクリックし、SEO分析パネルを表示する
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3. [検索ボリューム]列もしくは[表示回数]列をクリックして、降順にソートして表示する
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4. コンテンツ内で言及しておらず、順位が低いキーワードを見つける
③ページとの関連はあるが評価の低いキーワードを探す
1. 全景ビューでページアイコンをクリックする
2. [SEOアイコン]をクリックし、SEO分析パネルを表示する
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3. [検索キーワード]列で主要キーワードをクリックする
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- 主要キーワードを含む関連キーワードが青色で表示されます。
4. [順位]をクリックして、ソート表示する
5. 関連キーワード(青色)のうち、順位の低いキーワードを見つける
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- 20位以下など順位が低いキーワードが強化するキーワードになります。
CTRとクリック予測から強化するキーワードを選定
Googleからの評価が上がり、検索順位が上がってくると、少しづつユーザーにページがクリックされるようになります。ユーザーからのクリックが増えるとGoogleからの評価も上がり、検索順位のさらなる上昇が見込めます。
そのため、検索順位があがってきたら、今度はユーザーからのクリックを得られるよう、タイトルやディスクリプションを最適化します。

タイトルやディスクリプションは、検索結果に表示されるテキストで、クリック数の改善に大きく影響します。調整が比較的容易なので、強化するキーワードに合わせてぜひ見直しましょう。
そのためには、GoogleのCTR(クリック率)データを元にして、強化するキーワードを探します。次のような方法があります。
①検索順位が低いが、CTRが標準よりも高いキーワード | CTRが標準に比べて高く、ユーザーの検索意図とページの内容がマッチしたキーワードと言えます。該当キーワードで検索した人に魅力が伝わるよう、タイトルやディスクリプションを改善することで、更なる検索流入アップを狙います。 |
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②検索ボリュームがあり、CTRが標準よりも低いキーワード | CTRが標準に比べて低いときは、タイトルやディスクリプションに問題がある可能性があります。該当キーワードで検索した人の目的を考慮した文章に改善します。 |
アナトミーではClick予測機能を使って、強化するキーワードを探します。
①検索順位が低いが、CTRが標準よりも高いキーワード
1. 全景ビューでページアイコンをクリックする
2. [SEO]タブの[Click予測]アイコンをクリックする
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3. CTRグラフ上で順位が低く、標準CTR曲線(青色)よりも上部にある、色が濃い丸をクリックする
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4. 表示されたキーワードが強化対象になる
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- ユーザーの検索意図とページの内容がマッチしたキーワードになるので、タイトルやディスクリプションに該当キーワードに関連した文章を含めるようにします。
②検索ボリュームがあり、CTRが標準よりも低いキーワード
1. 全景ビューでページアイコンをクリックする
2. [SEO]タブの[Click予測]アイコンをクリックする
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3. CTRグラフ上で順位が低く、標準CTR曲線(青色)よりも下部にある、色が濃い丸をクリックする
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4. 表示されたキーワードが強化対象になる
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- タイトルは30文字、ディスクリプションは100文字前後を目安として、キーワードを含めた上で、ページの内容が分かるような文章に書き直します。
競合が存在するキーワードを選定
SEO対策をして成功したとしても、集客したユーザーの中にビジネス上のターゲットユーザーがいなければ、SEO対策をした意味がありません。そこで、検索結果ページを利用し、SEO対策しているキーワードが適切かどうかを判断します。
具体的には、検索結果にビジネス上の競合がいれば、そこにターゲットとなるユーザーがいるということになります。逆に、検索結果にビジネス上の競合がいないと、そこにはターゲットとなるユーザーがいない可能性があります。
また、検索ボリュームが大きすぎるキーワードをターゲットとすると、本来集客すべきでないユーザーまで集客してしまう可能性があります。例えば、「TV 40型 4K対応」の製品に集客をするために、「TV」というキーワードでSEO対策を進めるのは適切ではありません。なぜなら「TV」と検索する人は、TV番組について知りたい人もいれば、TVの歴史について知りたい人、TV局について知りたい人など、たくさんの検索意図が存在するためです。

検索ボリュームの大きいキーワードで検索順位を上げるのは、かなりのコストと労力がかかります。その一方、本来集客すべきでないユーザーが多く含まれてきてしまうため、CTRが増えない、コンバージョンに至るユーザーが増えないなど、掛けた労力に見合わない結果になりがちです。
そこで、競合を意識した強化キーワードを次の方法で選びます。
①ビジネス競合の存在と検索ボリュームの適正を主要キーワードで確認 | 主要キーワードにビジネス競合が存在し、かつ検索ボリュームが適切かどうかを確認します。適切でないときは、別のキーワードを主要キーワードに変更します。 |
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②ビジネス競合が存在する他のキーワードを調査 | 同じようなビジネス競合が存在する、他のキーワードを探します。他のキーワードでも順位アップできるよう、トピック強化やタイトル・ディスクリプションの改善を行います。 |
以下、アナトミーでの操作手順を解説します。
①ビジネス競合の存在と検索ボリュームの適正を主要キーワードで確認
1. 全景ビューでページアイコンをクリックする
2. [SEO]タブの[Top20比較]アイコンをクリックする
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3. 主要キーワードをクリックする
4. Top20に表示されたサイトが競合かどうか、検索ボリュームが大きすぎないかを確認
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- 検索ボリュームが他のキーワードに比べて突出しているキーワードの場合、ターゲットが広すぎる可能性があります。
- Top20に競合サイト以外のサイトが多く含まれる場合、キーワードが適切ではない可能性があります。
②ビジネス競合が存在する他のキーワードを調査
1. 全景ビューでページアイコンをクリックする
2. [SEO]タブの[Top20比較]アイコンをクリックする
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3. 主要キーワードをクリックする
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4. 他のキーワードBをクリックする
5. 黒背景の数字が多ければ、そのキーワードBは有力キーワードになる
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- 主要キーワードと同様のビジネス競合が存在するキーワードになるので、タイトル・ディスクリプションや見出しへキーワードBを追加する
検索エンジンのキーワード評価をアップする方法
強化するキーワードが見つかれば、コンテンツを修正して、検索エンジンの評価を改善していきます。
具体的には、トピックの追加・強化といった内容自体の改善と、タイトルやディスクリプションの修正・内部リンク構築といった内部対策があります。
タイトル | 30文字前後を目安として、ページの内容が分かる短いテキストにします。主要キーワードを必ず含めるようにします。 |
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ディスクリプション | 100文字前後を目安として、ページの内容を説明した分かりやすい文章にします。主要キーワード以外に、関連キーワードも含めるようにします。CTRに影響するので、魅力的な文章にする事をお勧めします。 |
見出し | h1タグは、タイトルと同じテキストにします。 h2タグ~h4タグは、文書の階層構造に合わせ、上位階層に位置する見出しはh2を使うようにします。 見出しタグにも主要キーワードや関連キーワードを含めるようにします。 |
画像 | imgタグにalt属性を記述します。 alt属性に主要キーワードや関連キーワードを含めるようにします。 |
内部リンク | 関連性の高いページからリンクを張ります。 また、関連性の高いページへリンクを張ります。 アンカーテキストには、キーワードを含めるようにします。 |
構造化データ | パンくず・動画・イベント・商品情報・FAQなどリッチリザルトの対象となる情報は、構造化データをページに記述します。 |